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世界的な流れとなる“レストモッド”と“レトロモッド”、“リバース・エンジニアリング”とは?

2023年もすでに1カ月経過し、すでに2月となっていますが、じつは1月上旬に当社代表のZAK柴崎が10日間の日程でイギリスに行っておりました。
渡英の目的は新製品の開発打ち合わせや現地のエンジニアとの対面など様々あったのですが、その中のひとつがバーミンガムで開催された“オートスポーツ展”というイベントへの来訪。某F-1チーム関係者からの誘いで現地へと向かったのですが、そのイベント内で当社のZAK柴崎も刺激を受けた模様。というよりも、厳密に言うと自分がこれまで行ってきたバイクビルドに対して『再確認』したことがあったそうです。

上に掲載しているケンメリGT-Rレーシング仕様ですが、じつはコレ、現在の技術でボディから再製作されたものとのこと。こうしたカスタムの流れは世界的に“レストモッド”“レトロモッド”“リバース・エンジニアリング”と呼ばれ、現在はひとつのトレンドとなっています。

ちなみにそれぞれを簡単に解説すると

レストモッド=旧車をベースにレストアとモデファイを行ったもの。言葉どおりにレストア+モデファイを施した車両。

レトロモッド=現代の車両をレトロなスタイルに仕上げたカスタム。

リバース・エンジニアリング=旧き良き時代の車両を現在の技術で製作、イチから再現するもので最も大がかりなモデファイが施されたもの。

というのが大別したカテゴライズとなっています。

この流れがはじまったのは、だいたい10年ほど前。世界的に“レストモッド”という言葉が使われ出したのが2017年くらいからという記憶もあるのですが、当社サンダンスが“旧車レプリカ”を製作したのは1988年。改めて振り返ってみると奇しくも、そんな当時から“レトロモッド”を生み出しております。


当社サンダンスが製作した旧車レプリカ。EVOソフテイルをベースにナックルのスタイルが再現されています。
写真提供:©バイカーズステーション編集部。


1992年にリリースした“スーパーパンヘッド”。車体は旧車イメージの“レトロモッド”、エンジンは90年代当時の技術で1950年代のパンヘッドを再現した“リバース・エンジニアリング”という組み合わせになっています。翌年に登場した“スーパーナックル”も同様です。
写真提供:©チョッパージャーナル編集部

1994年に第一号車をアメリカ・デイトナで組み上げ、翌年からリリースされた“スーパーXR”。後軸100ps/4500~7000rpm、トルク13kgm/4500rpmを発揮するエンジンは当社のオリジナルパーツで構築した“リバース・エンジニアリング”、車体は1983~1984年に限定生産された“XR1000”を踏襲した“レトロモッド”と呼べるもの。前後ホイールもH-D純正の7本スポークを再現しつつ軽量化を果たした当社のトラックテックとなっています。
写真提供:©チョッパージャーナル編集部

2003年に製作した“スーパーXRH”は“リバース・エンジニアリング”の“スーパーXR”エンジンが“Kフレーム”を再現したシャシーに搭載されています。厳密にいうとデュアルキャブのKフレームスポーツスターは1960年代の純正ラインナップには存在しないのですが、こうした“if”を創り上げることも“レトロモッド”の魅力です。
写真提供:©デイトナ/世田谷ベース編集部


2000年に限定10台で製作&販売した『スーパー“リアル”ナックル』は旧き時代のものを現在の技術でイチから再現した“リバース・エンジニアリング”に属します。鋳鉄製ヘッドのアルミ化やリジッドに見えて、じつはサスを有する“アクティブリジッドフレーム”、油圧のドラムブレーキなど現在の交通事情でも通用する装備の数々が与えられています。
写真提供:©チョッパージャーナル編集部(SRK車両写真)©デイトナ/世田谷ベース編集部(フレーム写真)

2020年にアストンマーチンから映画の007に登場したDB5が“ゴールドフィンガーコンティニュエーション”として、翌年にはジャガーがEタイプを登場60周年記念モデルとして復刻しましたが、メーカーも“リバース・エンジニアリング”や“レストモッド”、“レトロモッド”を生産することが、今ではある種のトレンドとなっています。



またショップレベルでも日本でトヨタ2000GTのレプリカが造られたり、今回のイギリスの“オートスポーツ展”でも現行ポルシェ911を356スピードスターのボディに変更したりといった車両が展示され、当社代表のZAK柴崎自身も、それがひとつの流れになっている印象を改めて受けたとのことです。もちろん、それらの車両は昔のものをそのまま再現しているワケではなく、ブレーキやホイール、エンジンなどが現代的なものにアップデートされているのも見逃せないポイントとなっています。

もともとサンダンスが一連の“旧車レプリカ”を生み出した理由として、「クラシカルなスタイルでも現代的な走り」を与えることで、ユーザーの皆さんに「安全で楽しいハーレーを提供する」というポリシーがあります。
さらにいえば、歴史的な遺産といえる旧車を現在の交通事情の中で無理やりに走らせるのではなく、それに代わる車両を製作することで、ユーザーの皆さんが「よりピュアにバイクを楽しめる」と考えたゆえの提案です。

そうした世界観を、自然な形で35年前から当社サンダンスでは提案させて頂いているのですが、今回の渡英で改めて感じたのが、当社の考え方があながち間違ったものではないのではなかったという部分です。

あえていえば1930年代や40年代に生産されたバイクを今の交通事情の中で走らせるには、どうしても無理が生じます。エンジンの耐久性やサスペンションの性能、ブレーキの制動力など「安全性」を妥協なく追及するのが当社サンダンスが創業当時から掲げる変わらないポリシーです。
たとえば旧車にしても、ただ昔のものを再現するのではなく、現在に沿ってアップデートをすることも当社では昔から行っているのですが、スタッフが乗る1946年ナックルやお客様のショベルなどは、まさにレストアとモデファイを兼ねた「レストモッド」に該当します。



写真上のナックルにしても下のショベルにしても、ただ昔のバイクを昔のパーツを使い、レストレーションしたものではなく、エンジン内部には金属表面加工を施してフリクションを低減し、クランクのコンロッド長を見直し……といった部分でモデファイを施し、現在の交通事情にマッチした性能と乗り味が与えられています。
ショベルに至っては前後サスを当社のトラックテックに換装し、ブレーキは最新パーツである“4ポットビレットバナナ”キャリパーを装着。すべての装備が現代的なものにアップデートされています。

このように、どんなスタイルのマシンであろうとも「安全性」と「飽きないエンジンフィーリング」、「優れた耐久性」と「ハーレーらしい鼓動感」を追求するのが当社サンダンスの変わらぬポリシーです。

現在、世界的なトレンドになりつつある“レストモッド”や“レトロモッド”、“リバース・エンジニアリング”ですが、そうしたカテゴライズする言葉が登場する以前から、当社では同じようなアプローチでスタイル、フィーリングともに「味わい深い」ハーレーを追求してきたという自負があります。

“レストモッド”や“レトロモッド”、そして“リバース・エンジニアリング”などは、どれも飽きの来ないクラシカルなスタイルでありながら現代的な走行性を追求して生まれたもの。それはこれまで当社サンダンスが追求してきたバイクビルドに該当するものです。もちろん、当社サンダンスではこれからも多くのユーザーの皆様へ「安全で楽しい」マシンを提供していく所存です。

 

 

 

 

 

 

 

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