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スプリンガーフォークの泣き所を解消する『TRAK TEK スプリンガー用ダンパー』開発中です!

1948年に、いわゆる “ヨンパチ” パンヘッドが生産を終え、そこから40年を経た1988年に登場したFXSTSスプリンガーソフテイルですが、通常のテレスコピックフォークと異なり、多くの問題を抱えていることを知る方もきっと少なくない(特にオーナーさんであれば尚更)のではないでしょうか?
その問題点の最たる部分にフロントのネックベアリングとレースの耐久性があるのですが、ここは1万~1万5000㎞ごとにダメになり、交換を強いられることが常となっています。

通常のテレスコピックフォークの場合、フレームのネックベアリングが5万㎞ほど持つことを考えるとスプリンガーが何かしらの問題を抱えていると言わざるを得ないのですが、ベアリングの交換工賃とパーツなどを考えるとランニングコストも、ともかく膨大となることは確実です。

テレスコピックフォークと比較すると自重も重い上、動きも悪く、路面からの振動をリジッドフォーク(リアレッグ)が吸収しきれなくなることによってネックの方にストレスが掛かり、ベアリングの劣化に繋がるのでは……と当社サンダンスでも思っていましたが、しかし、サスのストローク量など見てもスプリンガーがテレスコに比べて大きく劣るものではありません。では何故、スプリンガーはテレスコのようにしなやかに動かずにネックベアリングにストレスがかかるのか? そこに疑問を抱いたことが今回の『スプリンガーフォーク用TRAK TEKダンパー(仮)』の開発につながったのです。

じつはその開発に至るキッカケとして、あるひとつの出来事がありました。

もうすでに生産中止になってしまったので商品名を公開することも問題ないと思いますが、あるお客さんがスプリンガーフォークのダンパーからオイル漏れを起こし、その代替品として他店にてプログレッシブ社製のダンパーを取り付けていたのですが、それがスプリンガーの構造の問題点を知るキッカケになったのです。

そのプログレッシブ製ダンパーを取り付けたスプリンガーソフテイルはノーマルの1万~1万5000㎞どころではなく、2000㎞ごとにネックベアリングの交換が必要になってしまう状況だったのですが、オーナーさん曰くスプリンガーのボトムロッカーを見る限り、タイヤがまったく動いている様子がないとのこと。あたかもリジッドフォークのような状況だったそうです。またノーマルのスプリンガーフォークのダンパーにしてもダンパーとスプリングのバランスが悪く、プログレッシブ同様にいわば「オイルロック」を起こしている状態です。

そこで当社は対策としてプログレッシブ製のダンパーオイルを抜き、様々な粘度のオイルをテストし、色々と試してみたのですが、スプリンガーといえどもしっかりと路面の凹凸に追従するしなやかな動きと適切な減衰を与えれば何千キロ乗ってもベアリングのダメージが以前より軽減できるというデーターを得るに至りました。

その結果、スプリンガーフォークのボトムロッカーの動きの比率を追い、適切なダンパーに変えればテレスコのような動きを与えることが出来るのではと考え、今回の製品をイチから設計し、長年パートナーシップを結ぶカヤバ社と共に開発するに至りました。現在はセッティングの異なるダンパーをお客さんに装着していただき、試作モニターテストを敢行中です。

その試作品ではダンパーも「タイプ1」と「タイプ2」を用意し、テストを行っているのですが、どちらもノーマルに比べれば遥かに柔らかく、かといってコシのない感じではなく、一連の『TRAK TEK』シリーズと同様の「コシのある柔らかさ」を得るに至っています。

今回、テストを行ってくれたお客さんからも「とても素晴らしい動きでテレスコに引けを取らない」というコメントを頂きました。路面の凹凸や衝撃を素早くいなし、動く「サスのピッチングスピード」が走行時の安定に繋がることを当社サンダンスでは一つの解答として既に導き出していますが、それはスプリンガーフォークでも同様です。

ちなみにフィニッシュは旧車的な半艶の黒仕上げですが、性能は最先端というサンダンスらしいアプローチの商品であることは言うまでもありません。

これもまた他の『TRAK TEK』サスと同様、ヒット商品になりそうな予感もありますが、遅くとも年内には正式リリース出来ると思います。それまで皆さま、続報をしばしお待ちください。

 

 

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