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クランクケース・タイミングホール修復について

これまでエンジンチューニングやサスペンションの開発秘話など、どちらかというとハイレベルなテクニカル・レクチャーを中心にお送りしている当ブログですが、ある意味、当社サンダンスが得意とし、本道といえるのが壊れてしまったハーレーの修理や修繕。今回は、その中でもショベル以前のモデルによく見られる『クランクケース・タイミングホールの修繕』について紹介させて頂きます。

1970年から生産され、1984年に最終型となったモデル、ショベルヘッドですがハーレーらしい鼓動感溢れる乗り味である一方で、機械としての精度を見ると、やはり現代的なTCやM8に比べて不安が残る構造であることは否めない事実です。
たとえば鋳物の材質など時代を遡れば遡るほど粗悪であると言わざるを得ないのですが、それゆえに今回のクランケとなった車両のようにクランクケースのタイミングホールのネジ穴がナメ、ネジ山が切れてしまっているものが多く見受けられます。この箇所はオーバーサイズキットも存在し、取り付けられている車両もあるのですが、それすらもナメてしまっているものが多いのも現実なのです。

その箇所を当社サンダンスではクランクケースの内側、外側から溶接で埋め、新たにネジ穴を開けた上で再生する施工を行っているのですが、やはり拘りたいのが仕上げの綺麗さ。「一見すると修理したことが分からない」フィニッシュとすることを身上としています。

その作業手順としてはネジ山がなくなってしまったタイミングホールを溶接で埋め、再度、穴開け加工を施し、仕上げるというものなのですが、いかにもクランクケースを修理したという感じではなく、あくまでも鋳肌部分はそのまま残した状態でピンポイントで溶接をし、修繕の跡が分からないようにすることを当社では心がけています。

施工箇所を溶接で埋め、フライスで表面を整え、正しく中心を出した後、ドリルで穴開け加工を施し、タップでネジ山を切り、作業が終了するのですが、溶接の前段階でクランクケースをLPガスバーナーで十分に炙り、熱による歪みを未然に防ぐことも重要な工程です。今回のようなクランクケースの修理・修繕は当社の得意とする作業なのですが、このようにひとつ、ひとつを丁寧に行うことも仕上げを左右するポイントとなっています。

旧くは1936年~’47年に生産されたナックルや、’48~’65年までのパンヘッド、′66~’69年のアーリーショベルや以降のショベル、EVOなどハーレーには様々なモデルがありますが、それらは総じて「正しく修復し、修理を施せば」今でも現実的に走らせることは可能です。そして、このように「使い捨て」でない部分がハーレーの魅力のひとつであると我々サンダンスは考えます。

この他にもキッカーカバーの破損やヘッドやシリンダーのフィン欠けなど、ショベル以前の旧車にありがちな事例は多々ありますが、それらの修復も当社サンダンスが得意とするところ。皆様、是非一度、お気軽にご相談ください。

 

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