topics

トピックス

ブログ

“リークレス” 4速ミッション施工サービスに関するお願いとお知らせ

2007年に発売を開始して以来、大好評を博している当社の『リークレス』シリーズですが、今回はこのパーツの施工にあたる際、いくつか皆さんにお願いがありますのでこのブログにてお知らせさせていただきます。

過去を振り返ると約80年もの間、ナックルやそれ以前のUL(サイドバルブ)の時代から「ハーレーのミッションオイルは漏れるもの」として捉えられ、長らくそれが当たり前とされてきました。
当時は「漏れたオイルがチェーンに垂れればOK」という考えだったゆえ、そうした機械として間違った構造のものでも良しとされていたのでしょうが、近年ではオイルレスチェーンが当たり前になってきています。それはすなわちオイルが垂れること、漏れることが「当たり前ではない」ことを示唆しています。もちろん環境保全の観点からもオイルを垂れ流し、漏れたままにすることが良かろうはずもありません。

さらにいえばこのミッションのオイル漏れが引き起こす機械的な問題もあります。

ハーレーの4速ミッションは構造上、オイルが0.7リットル(700㏄)ほどしか入っていないのですが、これはすなわち少しの漏れでアッというまに油面が下がってしまうということ。それが原因でクラッチのレリーズベアリングが焼き付き、バラバラになったり、ミッション全体のベアリングがバラバラになったり……といった車両の持ち込み修理依頼が当社サンダンスでは後を絶ちません。

そんな「4速ミッションのオイル漏れ」を完全に止めるため、当社のZAK柴崎が知恵を絞って生み出したのが当社の『リークレス』シリーズです。上はアイアンXLスプロケメインシャフトシールナット2種で左が1952~1970年式用、右が1971~1984年式用。下のスペーサー2種はショベルまでのビッグツイン4速ミッション用シール内蔵スラストスペーサーで左が1980~1981年式に対応のスラストスペーサーBタイプ、右が1982~1984年式対応のスラストスペーサーCタイプ。このページの写真にはございませんが、1936~1979年式対応のスラストスペーサーAタイプもご用意しております。各オレンジ色の文字部分をクリックしていただければ、当社ホームページよりそれぞれご購入が可能です。

上にあるのがその『リークレス』の構造図です。

ご覧になればお分かりになると思いますが、ノーマルのツバ付きカラー形状のものに対してオイルシールを分割式で挟み込む『リークレス』スラストスペーサーはスプラインからのオイル漏れを完全にシャットアウトし、デュオシールナットでスプロケを挟みこむ形で固定する仕組みとなっています。

こちらは『リークレス』スラストスペーサー装着図。

こちらはデュオシールナット。

上が『リークレス』スラストスペーサー&デュオシールナットの装着完成図となります。

このように構造的に4速ミッションのオイル漏れを防げる『リークレス』スラストスペーサー&デュオシールナットですが、当社サンダンスが推奨する施工方法は、これだけだと片手落ちと言わざるを得ません。
もちろん、当社の『リークレス』パーツの精度が高いゆえ、これらの装着によってオイル漏れを止めることも可能なのですが、それでは根本的な解決にはならないのです。

当社の『リークレス』を完全なものにするためには「ミッションメインシャフトクロムナイトライド処理(Cr-N)」が必須となります。

オイル漏れを起こす車両のほとんどがメインシャフトとドライブギア・ブッシュの摩耗限界に達しているのですが、当社サンダンスではそのメインシャフトを半永久的に摩耗させないCr-N処理を施すことで対応しています。

ところが多くのショップさんが残念なことに「外見のオイル漏れさえ止まっていればいい」と考えているからかスラストスペーサーとデュオシールナットのみを購入して済ましてしまっている方が多いように見受けられます。

しかし、それでは根本的な解決にはなりません。メインシャフトの摩耗こそが一番の、ミッションオイル漏れの原因なのですが、おそらくは多くのショップさんがスラストスペーサーやデュオシールナットだけを購入して、それをユーザーのお客さんにオススメしているでろうことが考えられます。でなければリークレスパーツの売れ行きに対してメインシャフトのコーティングの発注が1/10ほどになろうわけがありません。つまりは10台のうち9台が中途半端な施工になってしまっているのです。

たとえばこれをエンジンチューニングにたとえるとピストン交換したにも関わらずキャブとマフラーはノーマルのまま、と同じような感じとでもいえばいいでしょうか。Cr-N処理ナシのリークレスの場合、100%の正しい効果を得られないことは明白です。

つまり今回のブログで何が言いたいのかというと、ショップさんは正しくお客さんに正しく『リークレス』を提供していただきたいと我々サンダンスが考えているということをお伝えしたいのです。

たとえば社外の強化シャフトはアンドリュース製だろうがJIMS製だろうが、結局は鋼(こう)なので、使用すれば必ず摩耗します。純正だと2万㎞で減っていたものが3万㎞持つようになるだけに過ぎず、持ちが1.5倍程度になるに過ぎません。繰り返しになってしまいますが、対してCr-Nは半永久的な使用耐久性を誇ります。大げさ抜きに10万㎞、20万㎞でもミッションのメインシャフトが摩耗しません。しかもすり減った中古品を肉盛りした上で再生し、使用するのでコスト的にもかなり優れたものとなっています。

たとえば距離を乗る人ならCr-Nを行っていない場合、必ず数年に1回はOHが必要となりますし、その分、コストもかかります。しかし、当社サンダンスが推奨するスラストスペーサー+デュオシールナット+ミッションメインシャフトのCr-N処理ならば1度の施工で十分です。

たとえばオイル漏れを止めるため、スラストスペーサーとデュオシールナットで表面的に絆創膏を貼るような対処法ではなく、病巣たるミッションメインシャフトまでを対策し、完璧なものにすることが重要です。

リークレス自体、多くのプロショップの皆様に向けたサービスですので、その点をお客様に説明し、正しい施工と効果を提供していただければ幸いです。なぜなら我々、プロショップはお客さんの安全を守り、バイクを楽しんでもらうのが本分であり、本懐なのですから。

必ずメインシャフトのCr-Nとスラストスペーサー、デュオシールナットがセットとなり、『リークレス』が完璧なものになることをご理解ください。

※なおこちらのページの写真は株式会社マガジンマガジン発行の『ハーレー・ダビッドソン ダイナミクス』からの抜粋となっております。こちらも残りわずかですので、皆様、オレンジ色文字部分をクリックし、是非お求めください。

ページトップへ