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当社オリジナルXR1000用プッシュロッド・ボールエンドリペアサービス開始です!

アメリカで開催された『バトル・オブ・ツイン』への出場を見据えたホモロゲーション(レース出場の認証)をクリアすべく、1983年に1018台が生産され、翌年に759台が出荷されたモデル『XR1000』ですが、構造的に数多くの問題を抱えていることは否めない事実ではないでしょうか?

当社サンダンスではこのモデルの対策部品を80年代後半から開発し、最高強度ニッケルクロモリ(SNCM)630鋼材を削り出し、浸炭先入れを施したロッカーシャフトや破損の多い純正のベアリング式を耐久性に優れた特殊ブロンズ材ブッシュ式に変更したロッカーアームブッシング、「キャップと胴体がはめ込み式な上、薄い肉厚が起因となった割れや破損を起こすことが多い純正XRのタペットの弱点」を完全に解消するスーパータペットキットなど数多の対策パーツをリリースしていますが、この度、新たな対策パーツが登場いたしました。

それが上写真にある「浸炭焼入れSCM415鋼材製XR1000プッシュロッド・スペシャルボールエンド(写真右※映り込みの関係で表面がザラけて見えますが実際の表面はツルツルです)」ですが、この箇所のリペアサービスをこの度、開始いたしました。

純正XR1000のプッシュロッドのボールエンドといえば、中には「焼き入れ」のアマイものがあったり、劣悪なオイルの使用によってロッカーアームとボールエンドが摩耗したものを数多く見てきましたが、上の写真左にあるボールジョイントがその典型的な例。右の当社製に比べて「タマネギ型」になっていることがお分かりになると思いますが、まさにこここそが摩耗の影響による変形です。

これまでサンダンスではプッシュロッドのボールエンドが摩耗した場合、社外のクロモリパイプ製などを長さを合わせてカットし、対応していたのですが、XR1000のボールエンドが他のモデルに比べて小さいゆえ、他のモデルのものでは合わないという問題も生じます。

そこで今回、当社ではXR1000専用設計のボールエンドをSCM415鋼材(クロモリ鋼)に浸炭焼き入れを施し、製作するに至ったのですが、純正の問題点をすべて解消するのはもちろん、ボールエンドを抜き替えるだけなのでコストも安く、しかもXR1000の純正的価値も損ないません。

ちなみにこのサービスはプッシュロッドを当社に送付いただければボールエンド部分だけを交換するというものなのですが、ボールエンド単価3500円(税別)で、工賃も1つあたり4000円。2箇所以上だと1箇所あたり3000円とかなりリーズナブルになっています。つまり4本のプッシュロッドのボールエンドすべてを交換した方が断然、お得です。

もちろんプッシュロッドのボールエンド部が摩耗したままではタペットのクリアランス調整もままなりません。

XR1000はプッシュロッドもレーシングモデルゆえ無調整の構造となっており、ロッカーカバー部のエキセントリックでタペット調整を行うのですが、(プッシュロッドの)ボールエンド部にガタがある場合、決して調整範囲に収まることはありません。ここの調整は一番、きつくしてもガタがあり、それ以上、締めこむと「グルっと逆に回ってしまう」ゆえ、おのずと調整範囲が決まっているのですが、正しいプッシュロッドのクリアランスを出すには摩耗していないボールエンドで行うことが必須です。

たった2年間の販売でトータルでも1800台に満たない台数のXR1000というモデルは、このように希少価値の高いモデルゆえ、対策パーツもほとんど市場に出回っていないというのが現状です。

しかし、だからこそ困っているユーザーの皆さんも多いのですが、サンダンスではそんなユーザーの皆さんを決して見捨てることはありません。「ハーレーだから壊れるのは仕方ない」「オイルが漏れるのは当たり前」という風潮に抵抗してきたからこそ、今のサンダンスの存在意義があるのです。

困っているユーザーの皆さんがいる限り……それはマニアックなモデルであるXR1000でも変わりません。サンダンスでは完璧に修理することをお約束いたします。

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