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スプリンガーオーナーに朗報! TRAK TEKスプリンガーダンパー、いよいよ発売開始です‼
以前に当ブログでモニターテストの様子をお伝えした『TRAK TEKスプリンガーダンパー』ですが、いよいよ完成の運びとなりました。
これまでモニターテストを敢行し、異なる3種類のダンピングを試してきた本製品ですが、その中でベストのものをこの度は製品化。テストにご協力いただいたお客様からも、スプリンガーでありながら「テレスコと遜色ない性能」という嬉しい声をいただくことになりました。初期がやわらかく、踏ん張ると粘り、路面の凹凸に応じて動くピッチングスピードの速さが起因となる路面追従性の良さは、やはりTRAK TEKならではのものです。
もともとこの『TRAK TEKスプリンガー用ダンパー』を当社が開発するに至った理由に、代表のZAK柴崎が感じる積年の想いがありました。
純正のスプリンガーソフテイルは早いもので走行1万㎞ほどでネックベアリングがダメになる、という症状を抱えています。当社代表のZAK柴崎もスプリンガーが発売直後の80年代後半から90年代初頭は、フォークの自重などが原因ではないかと考えたそうですが、ダンパーにこそ問題があったことを突き止めたのです。
純正のスプリンガーはダンパーが、じつはかなり硬く設計されており、多くの問題を抱えています。
旧車の74スプリンガーはフォークリアレッグの鋳物部分とパイプ部分のつなぎ目部分が最初の頃はロウ付け溶接してあったのですが、経年劣化はもちろん、構造的にも強力なブレーキをかける(つける)とそこにクラックが入るという問題が発生しました。
その結果、EVO以降に再生産されたスプリンガーでは鋳物部分とパイプ部分のつなぎ目のサイドからピン止めした上で樹脂でとめるという構造になったのですが、これが「動かないフロントフォーク」の理由につながっていると思います。
スプリンガーフォークのチョッパーなどに乗ったことがある方なら経験があるかもしれませんが、強力なフロントブレーキに換装し、それをフルでかけるとスプリンガーロッカーがフルボトムしてしまうことは想像できると思います。それを避けるためにH-D社がスプリンガーソフテイルを開発する際、ダンパーを硬めに設計したのですが、ズバリ言えば、それが「硬すぎる」のです。
これは「フロントフォークを動かしてブレーキをかける」という発想がない国ならではの、稚拙(分かりやすく言えばヘタな)な設計の典型といえるものなのですが、「バイクが制動するメカニズム」を考えても誤ったものであると言わざるを得ません。
ちなみに当社ではノーフロントブレーキの車両の構造的な問題を説明する際、自転車を押し、フロント、リアをそれぞれのブレーキをかけて構造的な役割をお客様に向けて説明するのですが、フロントブレーキのみをかけた場合、リアホイールが浮いてしまうほど「キュッ」と止まるのですが、リアブレーキのみをかけた場合はロックしたリアホイールをどこまでも引きづってしまいます。国産のスポーツバイクのブレーキディスクの大きさを思い浮かべていただければお分かりのとおり、あくまでもリアブレーキは補助的なものと考えた方が正しいのです。
ところが、何故かハーレーはフロントフォークの動きがシブい(悪い)設定となっているのですが、それはEVO以降のスプリンガーも同様です。
スプリンガーソフテイルのダンパーはそうした理由で、かなり硬い設定となっているのですが、社外のダンパーは更に動きが悪いというか、あたかもリジッドフォークのようになってしまうのです。
1948年式のパンヘッドを最後にスプリンガーフォークが生産を終了し、EVO時代の1988年にFXSTSスプリンガーソフテイルが登場したのですが、各部がかなり改善され、現代なりの技術で設計・生産されたこのスプリンガーフォークにしても、じつはダンパーがかなり硬めに設計されているという問題を抱えているのです。
このダンパーはゆっくりと沈みこませると動くには動きますが、高速などではまったく路面追従性がありません。さらに言えば、もっとダンピングが硬く、まったく動かない社外のダンパーを取り付けたスプリンガーソフテイルだと2000㎞くらいでネックベアリングがダメになる事例も発生しました。
そうした過去の経験やデータに基づいて「スプリンガーフォークの問題の原因はダンパーにアリ」と睨んだ当社サンダンスがカヤバ社と共同開発に至ったのが、今回の『TRAK TEK スプリンガー用ダンパー』なのです。
その際、微妙に異なるダンパー曲線、減衰曲線のダンパーを当社代表のZAK柴崎の発注どおりに3種類製作し、カヤバ社が具現化し、モニターテストを行ったことを以前のブログでお伝えさせていただきましたが、今回はその中でベストのものを製品化。
初期はやわらかく、沈み込むと粘るTRAK TEKらしい乗り味、性能を獲得するに至っています。
スプリンガーならではの捻じれ強度はさておき、サスの動き自体はテレスコと遜色なく、装着モニターのお客様曰くノーマルのスプリンガーフォークとはまったく別モノとのこと。またモニター装着以降、かなりの距離を走っているそうですが、以前は社外ダンパーゆえ、2000㎞ほどでガタが出ていたネックベアリングへの負担もまったく感じられないそうです。もちろん、正しくフロントブレーキをかけ、フォークを沈み込ませ、コーナリングするという「バイクとして至極真っ当な動き」を獲得するに至っています。
走りに於いても、耐久性に於いても、今回の『TRAK TEK スプリンガー用ダンパー』の効果は絶大です。
純正スプリンガーを大きく凌ぐ圧倒的な性能はもちろん、ルックスも純正をオマージュしたステッカーや刻印など、サンダンスらしいこだわり溢れるこの製品。全国のスプリンガーオーナーはぜひお問合せください。
サンダンス、絶対の自信作です!