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記録的な猛暑だからこそ考えたい根本的なオーバーヒート対策 その3炎天下のキャブレーション、燃料経路などについて

これまで『記録的な猛暑だからこそ考えたい根本的なオーバーヒート対策』というテーマで第一回第二回と展開してきた当ブログですが、今回は『キャブレーションとガソリン経路』についてをお伝えしたいと思います。

当社の公式フェイスブックの『いいね』の反応を見る限り、多くの皆さんがこのテーマに興味を抱いているであろうことが伺えますが、まず最初に、根本としてお伝えしたいのが、適切な圧縮比で、なおかつ高品質、高性能なオイルを入れている車両ならば、記録的な猛暑といわれる今年の夏のような気温でも、まったく問題なく走行可能である、ということ。事実、当社サンダンスのお客様では2030ccのツインキャブ、スーパーXR‐BTにせよ、鉄シリンダーのショベル以前のモデルにせよ、どなたも問題なく夏のツーリングや日常での走りを楽しんでいる様子です。

そうしたお客様たちから、「夏場にオーバーヒートしてバイクが走らない」であるとか「ガソリンがパーコレーションを起こした」などという声はまったく聞こえることはないのですが、一般的なハーレーの場合(※もちろん、これは当社サンダンスではなく他店などのハーレーで耳にする話です)、やはり今回のテーマとなる「キャブ」や「ガソリン経路」で悩みを抱えている方も多いようです。

では、その「ガソリンのパーコレーション」とは何であるかを簡単に説明すると、これは「エンジンの熱によってガソリンが気化し、膨張することで燃料系に気泡が発生する現象」のことで、特に高温環境下で起こりやすく、エンストやエンジンがかかりにくくなる症状を言います。一般的にガソリンの沸点は30℃からと言われていますので、今年の夏のような猛暑では、それがより顕著に表れているという人も多いのではないでしょうか。

その対策としてはガソリン経路の見直しやガソリンホースをメッシュホースや断熱、遮熱のタイプに変更するという解決策もありますが、適切な圧縮比となった当社のエンジンの場合、さほどナーバスになったということも、あまり聞いたことがありません。

たしかに夏場に直射日光にさらされた車両の場合、スタート直後は「なにかイマイチ調子が悪いような」と感じることも市場に流通している一般的なハーレーの場合ではあるようですが、それも走り続ければ冷えたガソリンが流れ、調子を取り戻すケースもよく耳にします。最近のモデルでは電子的な圧力で燃料を噴霧させるインジェクションゆえ、さほど大きな影響を受けないのですが、しかし、不適切な高圧縮化によって高温となったエンジンでは、やはり様々な問題が生じます。

その顕著な例としてあるのが、2024年以前のモデルで採用されたミルウォーキーエイトの樹脂製マニホールドの変形と、それによって頻発する二次エア漏れというトラブルなのですが、高温な上、過剰な圧縮比のこのモデルの場合、様々な問題を抱えていることを体感したことがあるという方も多いのではないでしょうか。

その対策として当社では『M8用“リークレス”対策アルミ・マニホールド&フランジ』をリリースし、適正圧縮ピストンなどをいち早く開発するに至ったのですが、やはりこのような根本的な熱対策が空冷ビッグツインのハーレーでは必須です。過剰に高圧縮化されたものはもちろん、長時間、渋滞にハマり、走行風をエンジンに当てられなかった車両ではマニホールドはおろかキャブボディまでも変形してしまったという例を耳したことがあります。やはり、今年の夏のような異常な猛暑では、より根本的な熱対策を行うべきと断言できます。

たとえば「冬ではエンジンが調子いいけど、夏場はどうも調子が悪い」という話も、よく耳にするのですが、冬の方が外気が冷えており、酸素の密度も高いゆえ、それも当然の話です。それゆえ気温の高い夏は空気が膨張し、酸素の量も少ないので、吹けの悪さやパワー不足を感じる方も多いと思います。たとえば同じ1000ccでも空気(酸素)の密度が3%少ない場合、100馬力のものでも数パーセント、パワーが下がってしまうのです。つまり冬場にドンピシャなキャブセッティングの場合、夏場では少し濃く感じるケースが多く、ひどい場合はプラグがカブリやすくなくなってしまうことも起こり得ます。

とはいえ年間をとおしてベストなキャブセッティングをすれば、キャブレーション自体に大きな問題は起こりようはずもありません。たとえばレーシングマシンであれば、その場、その場のサーキットの標高や気温、湿度などに合わせた適切なセッティングが必要ですがストリートマシンの場合、夏冬の平均値でベストなキャブ・セッティングをとれば問題はありません。むしろ夏と冬で極端に調子が違う、大きくパワー感、トルク感が異なる車両は根本的なセッティングが間違えていることが考えられます。また点火時期やマニホールドからの二次エア漏れなども疑うべきポイントです。

お盆も過ぎ、これからバイクにとって良い季節になりますが、まだまだ残暑が厳しいことも予想されます。3回に渡ってお送りした今回のブログですが、要点をまとめて言うと排気量に応じた適切な圧縮比と高品質、高性能なオイルの注油、その管理をしっかりとすれば今年のような酷暑でも恐そるるに足らず、というのが結論です。

この先もまだまだ暑さが残るでしょうが、どうか皆さま、安全運転でバイクをお楽しみください。

 

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