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ミッション・メインドライブギアのブッシュ打ち換えも当社オリジナルのスペシャルツールを使用します。

過去の当ブログや当社代表のZAK柴崎の工学理論をひとつにまとめた書籍、『ハーレーダビッドソン・ダイナミクス』のP252で掲載された『Zak’s Specialized T-spec Tools』のページでも当社が独自に開発したオリジナルの治具の数々を紹介させていただきましたが、今回も新たなスペシャルツールがサンダンス・ファクトリーのラインナップに加わりましたので、ここで紹介させていただきます。

たとえば「ミッションメインドライブギアのブッシュを打ち換え」する際、旋盤のチャックや万力にくわえてブッシュリーミングを行うと真円が出ないという問題がどうじても生じてしまいます。正確な作業をしようにも1/1000単位の精度でギア自体が変形してしまうのも現実でしょう。

それを完璧に防止する上、作業時間を大幅に短縮することを可能とするのが、今回、ここで紹介するスペシャルツールとなっています。また当社ではミッションオーバーホールの際には、このブッシュ部分は精度に優れたJIMS製を使用しています。

その実際の作業を順を追って説明すると、まずはプレス機で交換ブッシュを抜き取り、新たな圧入するブッシュの挿入部分を磨き、それをプレス機で圧入し、という工程で作業を進めていくのですが、この先に登場するのが当社のスペシャルツールです。

さらに言えばブッシュを圧入する際、ブッシュの入り口をバフ掛けした上でギアオイルを塗布し、プレス機で圧入するというのが作業の流れとなっています。

こうしてブッシュを打ち換えた後、より精度を出すために旋盤にくわえ、センター出しを行うのですが、ブレていない状態であることが重要となります。精度に優れたJIMS製とはいえ、ここでセンターが狂うとギアのキツい箇所と緩い箇所が出てしまうので、あくまでも慎重に作業します。

治具にミッションドライブギアを固定した後、リーマーを調整した上で切削油を塗り、リーマーでさらう作業を行っていくのですが、ここは作業過程で「リーマーが通った、丁度いい」と感じても冷えた後はクリアランスがキツくなったりすることがあるので、繰り返し慎重に作業を行うことが肝要です。ベストを出すまでに手探りと勘所、つまりは多くの経験を要するものなのですが、当社サンダンスで行う一連の作業時間は10~15分ほど。当社サンダンスでは多くの同業他社の皆さまからミッション・オーバーホールのご依頼をいただくのですが、素早く正確な作業を行うのも外注としての務めです。ちなみにCrNを施したミッションメインシャフトの在庫がある場合、お預かりした当日に作業終了可能なこともサンダンスのウリとなっております。

最終的にミッションメインドライブギアとメインシャフトを(冷間時)2/100~3/100のクリアランスで仕上げて完成となります。もちろん、今回のミッションドライブギア・ブッシュリーミングツールを導入してから、作業がより高効率かつ高精度になったことは言うまでもありません。

カスタムバイクやオリジナルパーツはもちろん、リバースエンジニアリングを駆使したオリジナル・エンジンであるスーパーXRやスーパーXR-BT、そしてアルミヘッドのスーパー“リアル”ナックルなど1982年の創業以来、様々なものを「創り」「生み出してきた」当社サンダンスですが、エンジンやミッションのオーバーホール作業に必要な『治具』もまた然りです。それはこのブログの冒頭でお伝えしたとおり、書籍の『ハーレーダビッドソン・ダイナミクス』を改めてご一読いただければ、多くの皆さまに当社サンダンスの姿勢が伝わると思います。

今回、紹介したミッションドライブギア・ブッシュリーミングツールをはじめとするオリジナルの治具、そのすべては高効率、高精度な作業を求める当社代表のZAK柴崎の「あったらいいな」という想いを具現化したものであり、ユーザーの皆さまや外注作業をご依頼いただいた業者の皆さまに完璧な仕事を提供すべく生み出されたものであることは言うまでもありません。今後も当社サンダンスのスペシャルツールを、このブログで紹介させていただきますが、そこから当社のこだわりが伝われば我々としても幸いです。

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