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サンダンス・トラックテック開発秘話パート4 スタイルと性能を両立するソフテイル用リアサスペンションについて

これまで『トラックテック』の開発秘話を3回に渡って、お伝えしてきた当ブログですが、いよいよ最終回となる今回は『ソフテイル』用ロードホールディング・リアショックスプリングをご紹介。1984年に登場したソフテイルといえば『リジッドのように見えてサスを備える』ハーレー独自の機構を持つモデルなのですが、車体の構成を冷静に見てみると、じつは1936年のナックルヘッド以来続く『王道のハーレー』、その直系といえるフレームの設計が与えられたものとなっています。

1979年にハーレー社がFLTをリリースし、『ラバーマウントモデル』が誕生したのですが、エンジンの振動をマウントゴムを介することで軽減するこのシステムは、長距離などでは『楽』な走りとなるメリットを有していますが反面、『ハーレーらしさ』を多少打ち消すことになる側面があることは否めません。

そうした部分からサンダンスでは基本的にビッグツインモデルもスポーツスターもカスタムベースとしては、エンジンがソリッドマウントされたモデルをオススメしているのですが、車体の剛性という部分を考えても、エンジンがストレスメンバーを担うソフテイル・モデルは高い実力を秘めています。また入念なクランクバランスをとれば不快な振動は皆無となり、それどころかハーレーらしい“鼓動感”が高まると断言できるものです。

当社のフラッグシップモデルである“TRANS-AM”や“コブラ・スタイル”のベースとしてソフテイルを使用する理由がここにあります。


(写真提供 ©チョッパージャーナル編集部)

またこのソフテイルといえば、“スタイル重視”で生まれた素性やカスタムで多様される“ローダウン”などの手法からゴツゴツとした走りである印象を抱く方も多いかもしれませんが、しかし、当社の“トラックテック ロードホールディング ソフテイル  リアショック スプリング ”を装着した車両の場合、決してその限りではありません。それどころか多くのお客様や雑誌やWeb媒体のメディアの方々から「ダイナやFXR以上の走行性能」であるという評価を頂いております。

その優れた走りを得た理由の一つに“サスペンションの可動域”があるのですが、当社のロードホールディング・スプリングはノーマルソフテイルの50㎜程度のサス・ストローク量に対して70~80㎜まで可動域がUP。更には1インチのローダウンを実現します。

ちなみにこのスプリングはトラックテック・マルチレートフォークスプリングと同じく世界最高峰の性能を誇るNHKニッパツ社へ特注し、「初期は柔らかく奥で粘る」特性であることも大きな特徴です。細かな路面の凹凸を吸収する追従性の良さやタンデム時のショック吸収性の高さ、踏ん張りの効くコーナリングなど絶対的な性能を誇るプロダクツとなっています。

更に言えば、装着の際はノーマルで2本あるショックの片側のみを交換する設計となっておりますので、税込みで1万9,800円というコストの低さも魅力ではないでしょうか。性能、価格ともに当社オススメのパーツです。

そのソフテイルモデルは4バルブのミルウォーキーエイトが搭載された2017年より新型フレームが採用され、カンチレバー方式のリアサスペンションとなったのですが、現行モデル用としても当社ではサンダンス/KYBネオロードホールダーリアショックを開発。こちらもスポーツスターやダイナ用と同じくKYB社で特注されているのですが、同じように適切な減衰やバネレートを追求し、“ストップ&ゴーとコーナーが多い日本の交通事情”に適合する走りを実現するものとなっています。

M8以降、“FXモデル”のすべてがソフテイル系に統合され、“走り系ビッグツイン”の主流になっているのですが、やはりノーマルでは我々サンダンスの求めるクオリティには到底及ばないのが正直なところです。それゆえ当社ではM8ソフテイル用としてもネオロードホールダーショックの開発に至ったのですが、こちらもローダウンを実現しながらも高い走行性能となった自信作となっています。

ちなみにイニシャル調整ダイヤル付きのハイグレードタイプは、税込で価格12万3,200円、レンチでイニシャルを調整するスタンダードタイプは9万3,500円なのですが、どちらも車高調整機能付きです。もちろんフロントのトラック・テックフォークスプリングとのコンビネーションで絶大な性能を発揮します。

たとえば他社製のパフォーマンス・サスと比較すると当社のサスはロープライスな価格設定となっているのですが、しかし、それは決して「安かろう悪かろう」という類のものではありません。

一般的なユーザー感覚では「価格が高い=高性能」というイメージをお持ちの方も多いとは思いますが、サンダンス・トラックテックは「出来るだけ安く高性能なものをお客様に提供する」ことがポリシー。当然、優れたバネレートや高性能ダンパーなど、ハイパフォーマンス・サスに求められるすべての条件を備えたものとなっています。

トラックテック サンダンス/KYBミルウォーキーエイト・ソフテイル用ネオロードホールダーリアショック(アジャスター無し) 価格9万3,500円 (税込)

トラックテック サンダンス/KYBミルウォーキーエイト・ソフテイル用ネオロードホールダーリアショック・ハイグレードタイプ(アジャスタータイプ) 価格12万3,200円 (税込)

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今回のブログでは4回に渡り、当社の“トラックテック”の開発秘話をお伝えさせて頂きましたが、そのすべてのプロダクツの根底には“スタイルだけに終始しない走りの追求”というサンダンスの理念が共通して流れています。

また我々が求める“世界最高水準のクオリティ”を実現する為、NHKニッパツやKYBなど技術力のある大手メーカーに細かい指示を出し、サスペンションを共同開発するに至っているのですが、そうした動きが出来ることもサンダンスの強みであると自負しています。

当社のこうした部分は当然、一朝一夕ではいかないのですが、1989年からスタートした“サンダンス・レーシングプロジェクト”を通して、F-1関係者や、それと関連するメーカーと繋がりが持てたことも大きいと思います。
たとえば大手メーカーにサスペンションを発注する場合、スプリングの特性やダンパーの減衰、パーツそのものの強度や基本的な設計など膨大な情報量を“同じ設計技術者”として正しく伝えなければならないのですが、それらはすべて当社サンダンスのレース活動やストリートでの実践的な経験がベースであり、その蓄積の結晶が“トラックテック”なのです。

「ハーレーを安全で楽しく走らせる為に……」そんな想いで生み出された当社のトラックテックを是非、お手にとって、その実力が大言壮語でないことを体感してみてください。

 

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