デイトナツインテックTCFIV 取付後の燃費について


重 要

デイトナツインテックTCFIV取付後に燃費が悪くなったというご意見に対して、
当社の検証結果をレポートさせていただきます。
 

1)2010年1月末日までに販売されたものについては、
  スピードメーターの補正値を実スピードに合わせた為

H-D社のkm/hメーターは、実速に対し5〜10%(純正オプションメーターでは15%ほど)多めに表示されています。これは国産モデルも同様で、陸運事務局の認可の範囲内です。しかし、当社では実スピード表示にこだわった為、この時点でやや燃費が悪く感じられたものと思われます。2月1日より出荷分においてはH-D社のメーターの平均的な表示になるよう変更しました。
ショップ様においては、以前のTCFIV取付車両オーナー様に説明して頂いた後、近日お送りするvar3.2のロムよりアップデイトをお願いすることになっています。

2)全体的に空燃比を正常化させた為

H-D社で設定されたEFIの空燃比は米国のみならずヨーロッパ諸国全ての基準を100%クリアさせるべく、かなり燃料を薄く絞り込んでセッティングされています。日本の道路事情ではストップ&ゴーが多く、常にオーバーヒート気味になりNOxの多量発生が反対に問題になりえます。ここでノーマルマフラーにおいては、CO及びHCをクリアできる範囲で、またスポーツマフラーに変更された場合の自動補正時の両方でベストなセッティングをするために、燃料供給を全体で平均約10〜15%アップさせる事でパワーアップと扱いやすさを得られました。これにより、通常の走行状態における多少の燃費の低下はいたしかたないものと考えられます。しかし、この増大したパワーをフルに利用しての加速を多用すれば大きく燃費の低下はあり得ると思われます。

3)フライホイール重量低下の為

ショベル時代まで極低回転でのエンジンの粘り強さ(トルク感)がハーレー最大の魅力と多くのファンをとりこにしました。機構的な一番の理由は重いフライホイールです。
 現在のH-D社では日本車同様に組み立て時の手間を省き、効率的な増産に力を注ぐ事やエンジンの大きな振動が出過ぎる等の製品のバラつきを無くす意味もあり、パーツの個体差を減らし、バランス取りをしないクランク組付けを行っています。そこにフライホイール重量の軽量化によって今までより高回転型エンジンを特性づけた事も起因して、とても味気の薄いH-Dエンジンになってきたと感じられているのでしょう。このフライホイールの重量配分は重ければ良いというものではありませんが、反対に軽すぎるとトルク感が不足し、ライダーは無意識に高回転で走ってしまう傾向になります。(例えば、小さいバッテリーではランプ類の光が明るくなったり暗くなったりする為、回転を上げて光量を安定させるようにする事に似ています。)

以上の事で近年の軽くなったフライホイールで、適正な空燃比にした場合、如実に燃費に現れる傾向にあるようです。しかも96ci(1584cc)の排気量では適正空燃比で走行した場合、2次減速側(ドライブベルト側)のファイナル比を車速伸び側にすることをお勧めします。

4)6速ミッションオーバードライブについて

H-D社が純正採用している6速ギヤは通常の“トップギヤ”ですが、スクリ―ミンイーグルやJIMS、BAKER等でリリースしている6速ギヤは乗用車と同様の“オーバードライブギヤ”になります。この場合、1〜5速までは減速比で表現される回転伝達ですが、6速のオーバードライブは増速回転となりミッション内部の機械抵抗は想像以上に大きいものです。低い速度回転域ではその機械抵抗はさほど大きいものではないので、法定速度付近において一定速度で回転を抑えてダラダラと走る際には有効です。しかし、6速でかなりの速度を出すような走行をした場合や、加速を行うと相当の燃費低下が考えられます。本来のオーバードライブ(オーバートップ)ギヤの使用方法を良く理解して頂くことが大切です。

5)風防取付車両(FL系等及びオプションフェアリング装着車)において

機械抵抗同様に、空気抵抗も倍数の2乗に比例して増加します。TCFIV取付後、パワーアップした事で以前以上に車速を上げるような走行をした為に燃費が低下した事も考えられます。

6)暖機運転の多用の為

EFIモデルは、キャブレターモデルに比べコールドスタート機能の時間(アイドリングが設定回転まで落ち着くまでの時間)を長く設定しています。チョイ乗りを繰り返すような使用条件下においては、実質的に暖機時間が長くなる為、多くの燃料を消費する割に走行距離が伸びず燃費低下につながると考えられます。

参考までに

国産の750ccクラスのマシンの2倍以上の排気量を持ち、近年異常なほど軽くなったフライホイールと、空冷大排気量2気筒では現行市販ガソリンの限界を超えていると思われる9.2 : 1という圧縮比において、TCエンジンは1200や1340cc時代のショベルやEVOと同じような燃費を求めることは、よほどパワー不足状態でのエコ走行を心がけない限り難しいでしょう。
 また上記文中にあるような6速オーバードライブの正しい使い方を知らないユーザー様はたくさんいらっしゃいます。この機会を通じてエンジントルクとファイナル減速比との関係を上手に活用するための知識を身につけて頂ければと思います。

ショップ様においては、以上の内容をユーザー様にご説明頂くようお願いしていく予定です。

参考燃費

市街地         :TC96 : 14〜17km/l、TC88 : 15〜18km/l
高速(法定速度付近) :TC96 : 16〜20km/l、TC88 : 17〜21km/l

※上記の通り、使用条件においては数値が異なる場合があります。


上記内容は、当社代表の柴崎がハードコアチョッパー誌にて連載しているT-Specコーナーの
2009年11月号等に記載されていますので、ぜひ参考にしてください。

 

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