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T-SPEC 旧車クランクケース修理・改善について

旧車のクランクケースを修理する際、SUNDANCEでは様々な症例を

解決、改善してきましたが

今回のブログでは、その中でも注意すべき項目についてをお伝えしたいと思います

旧車、ひいては全ての年代のクランクケースに言えることなのですが

まずこの箇所は長年に渡り、温まったり、冷えたりを何百、何千回と繰り返すうちに

初期の歪みが出尽くし、まるで老木のようにアルミが鍛えられるという特徴があります。

これをいわゆる“ 枯れたクランクケース ”と呼び、とても価値のあるものとなります。

この状態から精度を高めて組み立てるサービスを当社では “ T-SPEC再生向上プログラム ”

として行ってきましたが、それも搭載されるフレームのマウント精度ありきでなければ、意味を成しません。

たとえば持ち込まれた旧車クランクケースの破損したエンジンマウントなどを見る限り

そもそも行われた修理、溶接がマズいという症例も多いのですが、

フレームのマウント部分との精度が全くでていない、平衡が出ていないという例を多く見かけます。

この問題点に関しては弊社代表のZAK柴崎がチョッパージャーナル誌で連載中の

“ T-SPEC LAB ”のコラムでも詳細について書かせて頂きましたが

(チョッパージャーナル誌 25号 2015年9月号)

いくらクランクケースを正しく修理、改善しようとも

搭載されるフレームの精度が狂っていれば再びトラブルが起こることは明白です。

たとえばフレームのエンジンマウントテーブルが狂っていても、無理やりにねじ込めば

エンジンはひづみつつも搭載出来ます。しかし、クランクケースは変形したまま作動し走行する事になるのです。

エンジンマウントテーブルというものは本来、何の違和感もストレスもなく、エンジンをマウントする事が不可欠なのです。

しかし長年の使用や修復、事故等でフレーム自体の精度が狂っている車両を多く見かけるのも旧車ハーレーが抱える現実です。

弊社SUNDANCEではハーレー社が製作した図面を基に

クランクケーステーブルの精度を算出し

それに合わせたジグを製作し、ケースのマウント部などの修理・改善を行っていますが

このエンジンマウントの高低差にしても実測と図面上では違いがあることは

あまり知られていないように思います。

実のところハーレーのエンジンは前方に、わずかに2度傾いた状態で搭載されるので

クランクケースも同様に傾けた状態で上下の高低差を削らなければ

正しい数値とはなりません。

エンジンを逆さまにして高低差をつけるジグでは

正しい数値のとおりクランクケースのエンジンマウント部を修理をするのが難しいと言わざるを得ないのです。

無論、当社では純正の正しい数値に準じたとおり、エンジンを2度傾けた状態のジグでクランクケースの修理・改善を行っていますが、修理を発注してくださる業者各位の皆様は、搭載されるフレームに関しても留意して頂ければ、と考えております。

 

 

確かにピストンを交換したり、バルブ周りをオーバーホールしたり……

といった作業を施せば車両は動くようになるのですが

車両の根本の状態から見直さない限り、正しく修理がフィニッシュしないのも旧車でよく目にする問題点でもあります。

「いくら修理しても、何度もクランクケースのマウントが割れる」

という症状を経験しているプロサイドの方、ユーザーの方なら

フレームの精度、数値や、それに組み合わされるエンジンマウントの精度などを

注意すればトラブルを根絶することも可能だと思います。

弊社SUNDANCEでは、そうした部分にまで拘ってサービスを展開していますので

中途半端なレストアの仕事をお断りすることもあるのですが、

その点をご理解頂ければ……と考えております。旧車のトラブルでお困りの場合、ご相談下さい。

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